活動記事

2021年2月8日
令和2年度 第2回地域ITS研究会
日 時:令和3年2月8日(月) 14:00~17:00
場 所:オンライン開催(ZOOMによる配信)

 

講演1
インフラ分野のDXについて
西村 敦史 様(国土交通省 北海道開発局 事業振興部 技術管理課 技術管理企画官)

i-Construction、PRISM(官民研究開発投資拡大プログラム)、DX(デジタル・トランスフォーメーション)に関する国の取り組みについて、スマートグラスなどの最新事例も含めご講演いただきました。

i-Constructionについては、ICT活用工事を実施した企業数の近年の増加状況や、未経験企業に対して導入をサポートするための体制整備等についてご紹介いただきました。PRISMについては、北海道内で採択された2つの技術提案事例(重機の遠隔操作による労働生産性の向上・スマートフォンによる画像データを活用した施工管理支援)についてのご説明をいただきました。また、BIM/CIM(Building/Construction Information Modeling, Management)による3次元データの積極的活用に向けた検討、ガイドラインの作成に関するご紹介をいただきました。DXについては、その推進に至った背景、北海道内における事例(堤防における除草の自動作業化(スマートグラス)、除雪現場の省力化に向けた取り組み(i-Snow))の紹介、人材育成を目的としたDXルームの開設、本省・各地方整備局・国総研間を高速で繋ぐネットワーク回線の整備計画等についてご紹介いただきました。

質疑応答では、インフラ分野以外におけるDXの状況、DXの導入が「働き方改革」にもたらす影響、通信網の導入コスト等についての質問があり、活発な議論がなされました。


講演の模様(配信会場)

講演の模様(オンライン画面)
 
講演2
岩見沢市における5G等の活用について ~未来技術を用いた地方創生~
黄瀬 信之 様(岩見沢市 企画財政部 情報政策推進担当次長)

岩見沢市が取り組んでいる国内最先端のスマート農業の社会実装に向けたICT活用についてご講演いただきました。

まず、岩見沢市における現在のICT基盤の整備状況や、様々な分野におけるこれまでの活用状況についてご紹介いただきました(登下校時の児童見守り、オンライン授業、テレワークによる雇用創出、健康管理データのプラットフォーム化など)。次に、自営光ファイバ網を用いた気象ビッグデータの提供、位置情報システムや自動操舵機能を用いたロボットトラクターの自動走行等に関する実験結果について社会実装の実現が近い最新の成果をご報告いただきました。また、スマート農業の導入によるメリット(作業性の向上やコスト削減、経験値の少ないオペレーターの補助、品質向上や収益増加等)や、実際に利用した生産者から挙げられた課題点についてのご紹介、今後利用者をより増やすための体制作り(共同利用、補助金など)に関するご提案をいただきました。

質疑応答では、今後の普及策や農業期以外の活用等についての質問、提案があり、活発な議論がなされました。


講演の模様(配信会場)

講演の模様(オンライン画面)
 
講演3
AIを活用した公共事業の最適化に関する研究
高橋 尚人 様(札幌市立大学 AIラボ 特任准教授)

除排雪やごみ収集をAIによって効率化するデジタル・トランスフォーメーション技術の開発に向けた研究についてご講演いただきました。

まず、札幌市における雪対策やごみ収集についての現状(年間予算、ダンプの稼働台数、輸送量など)および課題(従事者の減少・高齢化、残業時間数)についてご説明いただきました。次に、各種データの解析結果に基づく、効率化を達成するための着眼点についてご提案がありました。例えば、除排雪に関しては雪堆積場までの運搬距離の短縮化、ごみ収集に関しては収集経路の効率化や積載率の上昇化であり、これらを達成するためのシステムとしてデマンド応答型公共交通の一種であるSAVS(Smart Access Vehicle System)の改良イメージについてご説明いただきました。

質疑応答では、実際のオペレート内容はどのようなものになるのか、システム利用によって見込まれる費用や残業時間の軽減について等の質問があり、活発な議論がなされました。


講演の模様(配信会場)

講演の模様(オンライン画面)